【ボランティア参加者インタビュー】津川守さま

活動エリア | ベイエリア |
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活動分野 | スポーツ自然保護・環境保全国際 |
活動日 |
随時 |
レポート内容 |
ちばボランティアナビ(以下、ちばボラナビ)を通じてボランティアに参加した方へのインタビューをお届けします。今回お話を伺ったのは、定年退職後から数々のボランティアに参加されている、津川守さん70歳。お声から感じる若々しさは、どうやらボランティアと関係があるようです。どんな気持ちで活動されているのか伺いました。 はじまりは、30年以上前の「お父さんコーチ募集」―これまでに参加されたボランティアのジャンルは? (津川さん)環境美化が一番多いですね。幕張の浜や幕張豊砂の海岸をきれいにするビーチクリーンだったり、稲毛区にある園生の森で、外来植物の除去や自然観察をする会にも参加します。その森は家から比較的近いんですが、よく整備されている市民の森で、みなさんが散策されているのを見かけると、いいなと思いますね。 それからスポーツイベント系。アクアラインマラソンや稲毛海浜公園でのトライアスロン大会のお手伝いとか。銚子の団体さんで、英語のスピーチ原稿を日本語に翻訳するというボランティアも経験しました。中学生を中心とした英語のスピーチイベントで、来場者にスピーチ原稿の日本語訳を配るというものでした。直訳はすぐできるんですけど、そのままだとぎこちないんですよね。それを自然な日本語にするにはけっこう工夫が必要で、自分自身の勉強になりました。
―どんな基準でボランティアを選んでいるんですか? 自分の経験やスキルに関係するものでしょうか。現役時代は千葉県庁職員として、36年一貫して森林保全に携わってきたので、環境系は自然に関心が行ってしまいますね。 スポーツ系は、自身も体を動かすのが好きなので、やっぱり関心が向きます。3年前までは、地元の小学生のサッカーチームの指導や運営を30年やっていました。「お父さんコーチ募集」を断りきれなかったんですが、それがボランティアのはじまりです。
―長く続けられた理由は何だったのでしょう? 仕事が忙しいときは辞めることも考えましたが、小さな子供たちが一生懸命やっている姿を見ると、もうちょっと続けようかな、と。けっこう感動するときもあるんですよ。一生懸命走った低学年の子たちに、「よくやったな!」と触れると、ドキドキしてるんですよね、心臓が。大げさだけど、この子たちは一生懸命生きてるんだなあって感じがして。すごくいいなあって思う瞬間ですよね。 チームを卒業した子どもたちが成人して、二十歳の集いに声をかけてもらえたりも。立派になった姿を見れたり、大会を通じていろんな人とのつながりができたのもよかったですね。 ボランティアは、自分でつくる時間割に「彩り」を添えてくれる。―今のようなボランティアに至るまでに、どんな経緯が? 県庁を退職してから、時間を持て余していたところがあったんです。そこで2018年に、外国人おもてなし語学ボランティアに参加しました。千葉市のボランティアマッチングサイト経由だったと思います。東京2020オリンピック・パラリンピックで訪日する外国人向けに、道案内や情報提供ができるボランティアを育成する、という英語の研修でした。 研修には参加したものの、コロナ禍で無観客になったことで募集人数がだいぶ減って、抽選に漏れてしまって。実際に関わることはなかったんです。 そこから、マッチングサイトでいろいろ情報をもらって、興味のあるボランティア活動に参加するようになりました。このちばボラナビと千葉市のサイトの両方で情報をいただいて、面白そうなものに参加しています。
―ボランティアに参加する理由は何でしょう? 自由な時間がたっぷりあるので、その時間を埋めることがひとつ。今は、与えられた時間割に従って活動する必要はなくて、時間割を自由に組めます。そこに彩りを添えるという上で、ボランティア活動は非常に有効だと思っています。現役を退いてからいくつか仕事をしましたが、完全に自由になると、単調というか、ダラダラした生活になりやすいんですよ。それにアクセントを加える意味ですね。 あとは、ちばボラナビからの情報提供が、ボランティア活動に対する意欲を保持してくれています。情報提供がなかったら、やらないと思います。 いろんな人との触れ合い。社会とつながっている実感。―津川さんにとっての、ボランティアの魅力とは? 自分が楽しい、自分が役に立っているという喜びかな。「社会とつながっている」という、人間の大きな欲求を十分に満たしてくれるのが、ボランティア活動なのかなと思います。参加してると、社会と自分はつながってるんだと実感できて、充足感を得られますね。
それから、さまざまな体験をもつ多様な年齢の人と交流できる、というのも魅力のひとつ。36年間県庁にいたので、人付き合いはやっぱり県庁や市町村の職員が多くて。そうすると、なんとなく色合いというか、思考回路が似てる感じがあるんですよね。ボランティアに参加すると、民間企業に勤めていた方、今もお勤めの方、学生の方、個人経営されている方、商店のおやじさんみたいな方、いろんな方が来ています。そういう方たちとの触れ合いって、面白い。特に、若い方と話していると元気がもらえるし、学生さんなんか見てると、いいなって思います。 「人の役に立つ」よりも、まずは「自分が参加して楽しい」から。―最後に、これからボランティアを始めようと思っている方へ、一言お願いします。 ボランティアって、一面では人を喜ばせる活動ですよね。その活動を通じて、なんらかの恩恵を与えていると思います。与えられる側は、意識して「ああ、ありがたいなあ」と思う人は少ないかもしれません。それでも、参加する人自体が楽しいと思わないと、人を喜ばせることにはつながらないと思うんです。 だから、「これをやったら自分は楽しいんだろうな」と思えるものを見つけて、「最初ははずれでもいいや」という気楽な気持ちで一歩踏み出していただくこと。そこから、ボランティアの魅力がだんだん分かってくるんじゃないかと思います。 大上段に「人の役に立ってやる」と考えずに、まずは「自分が参加して楽しい」を見つける。そのためにも、こういうマッチングサイトを活用するのは非常にいいと思います。
※掲載内容は2025年5月取材時点のものです。 |