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【ボランティア受入団体インタビュー】NPO法人Link toさま

活動エリア ベイエリア九十九里エリア
活動分野 動物愛護
活動日

随時

レポート内容

ちばボランティアナビ(以下、ちばボラナビ)を通じてボランティアを募集している団体さんへのインタビューをお届けします。

今回お話を伺ったのは、「保護犬・保護猫のお世話のお手伝い」を募集しているNPO法人Link toさん。4月頭の募集から、既に16名のボランティアを受け入れています(インタビュー時点)。どんな想いで活動しているのか、ボランティアのみなさんにぜひ伝えたいことなどなど、獣医師でもある代表の張本さんと、ボランティア担当の尾髙さんに伺いました。

幸せな人、幸せなペットを増やしたい。獣医師だから、できること。

―どんな活動をされていますか?

(張本さん)老犬ホームの運営をしています。ペットを飼えなくなってしまった飼い主さんが、お金を払って預ける、というもので、今その犬たちが60頭ほどいます。それから、お宅を訪問して、飼育放棄や虐待されている犬猫を保護して、新しい飼い主さんを探す、ということもしています。保護犬は現在11頭いますが、元野犬が多く、虐待されていた犬もいます。そういう犬たちはとても臆病で急に手を出すと噛みついたりするので、信頼関係を築くために時間をかけてトレーニングをします。専門のトレーナーがいるので、そういう知識を学びたいと来てくれるボランティアさんもいますよ。ペットホテルもやっていて、通常のわんちゃんも預かるのですが、そこでの収益を保護犬のケアにあてています。自然が多く、草がいっぱい生えてくるので、草刈り機を買ったりしましたね。

 

―どんな想いで、NPOを立ち上げたんですか?

(張本さん)実は、NPOとは別に、動物病院グループを展開しています。動物を飼っているすべての人にとって、何かあったときに一番に思い出してもらえる存在でありたい、という思いで経営しています。その「何か」のうち、動物病院では夜間診療に対応していますし、NPOでは災害に着目して、広い土地で老犬ホームを運営しています。災害が起きたときに、車中泊できる、犬を預けられる、治療提供できる、そういう施設をつくりたかった。それが始まりですね。先日、千葉県と災害提携を結んだところです。

 

災害がないときにどう使うのか、ということで、犬猫の保護をしています。殺処分されてしまう犬や、飼育放棄されているペットっているんですよ。そういう犬猫を引き取ってくれる個人の方は多いですが、どうしても自己犠牲をしてしまうんです。医療費も結構かかりますし、負担が大きくて、自分自身がきつくなってしまう方もすごく多い。それを、われわれ獣医師が先頭に立ってやることで、幸せな人、幸せなペットが増えるんじゃないかと思っています。引き受けてくれる方からは、医療費はもらいませんし、予防もしっかりします。人と動物が共生していくなかで、公衆衛生はすごく大事なんですが、それは動物病院グループだからできることだし、ボランティアさんも安心して働けると思います。

1時間だけでも、見学だけでも。

―ちばボランティアナビを知ったきっかけは?

(尾髙さん)保護犬のボランティア募集サイトを調べてみると、いろいろと縛りがあると感じました。1日何時間以上 とか、月に何回以上とか。そこで挫折してしまうように見えました。だから、なるべくたくさんの人に来てもらえるように、自分の都合のいいときに、1時間でもいいし、見学だけでもいいように、間口を広げようと思ったんです。ボランティア募集もたくさんの団体さんに協力してもらおうと思って、「千葉 ボランティア」で検索して、こちらのサイトを見つけました。近くの地域の方に、この老犬ホームとNPOの存在を知ってもらいたい、という思いもありましたね。近くに住んでいてもこの施設のことを知らなかった、という人も多かったので。ちばボラナビで応募してくれるみなさんは、オリエンテーションの参加率や活動の参加率がとても高くて、とてもありがたいです。

彼らに人と過ごす楽しさを。「どんどん遊んでください」

―ボランティアでは、どんなことをしますか?

(尾髙さん)保護犬・保護猫のお世話として、犬舎の掃除や、お散歩に行っていただきます。最終的な目的が、保護犬・保護猫の新しい家族を見つけて、譲渡につなげることなんですね。そのために、彼らに場所慣れ、人慣れしてもらって、譲渡の見学に来てくれた人とうまくコミュニケーションがとれるようになってほしいんです。だから、なるべくたくさんの方と触れあう機会をもって、人と過ごす楽しさを知ってもらいたい。みなさんには、「ぜひどんどん遊んでください」と触れ合ってもらっています。

犬猫のお世話は毎日あるので、いつでも来ていただいて大丈夫です。だいたい9時から17時までの間で、ご都合のいいタイミグで。午前だけ、午後だけ、1時間だけの方もいらっしゃいます。

来るだけで癒される場。関係性の成長が見られる場。

―どんな方が参加されていますか?

(尾髙さん)犬猫を飼っている人もいるし、いろんな事情で飼えないけれど、動物と触れ合ってみたいという人もいます。飼っていたわんちゃんを亡くした方が、新しい子を迎えるのはちょっと…ということで来てくださって「犬と触れ合うことで癒されます」と。きっかけはみなさん様々ですが、「来るだけで癒されます」っておっしゃいますね。こちらとしてもうれしい限りです。他の市や県外から来てくださる方もいますよ。犬猫に関わるボランティアは意外と少ないそうで、日にちが限定されている、1か月に何回以上参加しないといけないなど、ハードルが高くて今までできなかった、という話も聞きます。

 

―実際にボランティアに参加された方の反響は?

(尾髙さん)保護している子たちは、元野犬の子がほとんどなんです。一頭一頭が個性的ですし、普通の家庭犬と違って、「こちらが行くと寄ってくる」という感じではないんですね。ちょっと警戒心の強い犬たちが多いんですが、「通うごとにちょっとずつ慣れてくれて、関係性の成長が見れるのでうれしい」という声もいただきました。他にも、「老犬に対するケアの仕方などの知識も教えてもらえて、そこも勉強になります」という方もいらっしゃいます。

ハードルを乗り越える勇気も持たずに、気軽に見に来てほしい

―これからボランティアを始めようとしている方へ、アピールをお願いします!

(尾髙さん)まずはいろんな方に知ってもらいたいです。老犬ホーム事業にしても、保護犬・保護猫のことにしても、イメージはあっても、実際どうなのかは見てみないと分からないですから。ボランティアをやってみよう、とはならなくても、ちょっと見に来るだけで何か変わってくると思います。ボランティアというとハードルが高いと思うかもしれませんが、そこを乗り越える勇気も持たずに、本当に気軽に見に来てほしいですし、知ってほしいです。

 

(張本さん)僕たちがすごく大切にしている言葉があります。動物病院グループのほうでは、「想いを実現する」。NPOのほうでは、「すべてのご縁に感謝する」。あんまりハードルを感じないでほしいんです。動物に関わることをやってみたいな、と思っても、こういうことで難しい、ああいうことで難しいって思ってしまうかもしれません。でも、ボランティアだったら1時間だけでもできるし、それで楽しければ、どんどんやっていけばいい。中には、将来、老犬ホームをつくりたいから、ここでちょっと経験してみたい、という方もいますよ。そういう、自分のもともと持っていた夢には、ハードルを感じずに参加していただければと思います。

 

保護犬猫のお世話だけでなく、いろんな場所に行って譲渡会もしています。酒々井のアウトレットパークなどで、譲渡活動をしたり、災害についての話をしたり、獣医師相談をしたりも。そういうイベントも一緒にできるので、いろんなボランティアさんがいてもらえると助かります。得意分野ってみんな違いますよね。みんなのいろんな力を合わせて、幸せな子たちが増えればいいなと思います。助けてもらえるのは、すごくありがたいこと。みなさんの力が必要です!

 

―ちなみに、子どもを連れていっても大丈夫ですか?

大歓迎です!結構いらっしゃいますよ。一番小さくて年少さん。お子さんにとってもいい機会になると思います。

NPO法人Link toさん

 

※掲載内容は2025年6月取材時点のものです。